寒風山・笹ヶ峰


・期間 2017年5月1日(月)晴れ
・山域 愛媛県・高知県
・形態 単独・周回
・行程
 寒風山トンネル南口→寒風山→笹ヶ峰→南尾根登山口→寒風山トンネル南口

※ GWの長期休暇を利用して寒風山と笹ヶ峰を高知県側から周回した。

 寒風山トンネル南口(7:0)→桑瀬峠(8:35-8:45)→寒風山(9:45-10:00)→笹ヶ峰(11:30-12:10)→南尾根登山口(13:35-13:45)→寒風山トンネル南口(14:40)


四周を海に囲まれた四国は、海国であると同時に山国でもある。
2000m級の山々が中央脊稜を形成し、東の横綱が剣山なら西の横綱は石鎚山である。

この東西の両横綱に劣らない魅力を持つ山が笹ヶ峰である。
伊予と土佐の国境に聳える笹ヶ峰は石鎚山系に属し、
山名のとおり頂稜部が笹に覆われた女性的な山である。

そして、石鎚山とともに古来から信仰の対象として地元から愛されている山でもある。



石鎚山ハイウェイオアシス


寒風山かな?伊予富士かな?


寒風山トンネル南口の駐車場

 石鎚山ハイウェイオアシスで朝を迎えた。
 クルマの運転がいくら好きだと言っても、千葉から800km以上を走ってきた疲れは一晩では抜けない。

 重い体を引きずって洗面所で寝ぼけ面を洗うと、少しはましになった。

 国道沿いのコンビニで朝食と昼飯を仕入れて、寒風山の真下を貫く長いトンネルを抜けて高知県に入った。
 登山口はトンネルの出口を鋭角に曲がって5kmほど走った旧寒風山トンネルの高知県側だ。

 ハンドルを左右に切り替えし、狭い林道を走って行くと、正面に寒風山から伊予富士への稜線が見えた。
 この景色を見るだけで、登山意欲がムクムクと湧き出してきた。

 7時過ぎに登山口に到着し、新調したブーツを履いて登山道を歩き出した。

 
※ 寒風山トンネル南口の駐車場のスペースは約30台。
  水洗トイレあり、水あり。


寒風山登山口


最初はこんな感じの急斜面


傾斜が緩くなり明るい登山道
 歩き始めから急な登りが10分ほど続いた。

 傾斜が緩くなると、ナラなどの自然林に混ざって、三つ葉ツツジの花がチラホラと咲いていた


桑瀬峠(伊予富士方面への道)


伊予富士が綺麗だ(休憩場所から)
 1時間弱で桑瀬峠に着いた。
 
 西に向かえば伊予富士から瓶ヶ森、東は寒風山から笹ヶ峰の稜線が続いている。

 ここで休憩しようと思ったが、北風が強く吹き抜けている。
 仕方ないので峠から5分ほど進んだ場所で、伊予富士を眺めながら一服した。


ブナの道


岩峰と梯子(岩峰を越えて行く)
  休憩も程々に、寒風山へ向けてブナが立ち並ぶ稜線を歩き出した。

 目前に岩峰が見えてきた。
 あの岩峰を越えて行くのか、巻いて行くのか、大した問題ではない。

 新調ブーツは足首に多少の違和感はあるが、距離も高度も確実に稼いでいる。

(最後に辛い思いをするとは、この時点では知る由もない)

寒風山


笹ヶ峰への稜線


瀬戸内海は白く霞んでいた

 梯子の掛かった岩場をよじ登り、思ったより早く寒風山の頂に立った。

 ここは360度の大展望だ。
 西側の伊予富士や塀ヶ森は青空に浮かび、北側は瀬戸内海が白く霞んでいる。
 東側には笹ヶ森までの稜線がくっきりと見て取れる。

 俺一人の山頂だ。
 思う存分楽しもう。


進入禁止の表示(お見事!)


笹ヶ峰に向かって笹の中を歩く
 再びザックを背負い、登山道を下って行った。

 この辺りから膝上ほどの笹道となった。
 乾燥した笹をかき分ける感触が何とも気持ち良い。


寒風山を振り返る


岩の上で小休止(正面は笹ヶ峰)

 

 笹原の中にポツンと顔を出している岩の上に腰掛けて一服していると、笹ヶ峰方面から一人の中年登山者が下って来た。

 今日、初めて出会う登山者である。
 先方から話し掛けて来た。

 「どちらからですか?」
 『寒風山トンネルの登山口です。貴方は?』
 「西条側の登山口です。」
 『これからどちらまで?』
 「寒風山まで行って引き返します。そちらは?」
 『笹ヶ峰から南登山口に降りて、林道を歩いて車まで戻ります。』
 「そのルートも有ったんですね!」

 と言うことで、地図を見ながらルートを見比べた。
 聞けばこの中年紳士は香川県在住で笹ヶ峰は初めてだと言う。

 お互いに「気を付けて!」の挨拶で別れを告げた。
 山は一期一会だ。こんなチョットした会話も楽しい。


若者に追い抜かれる(正面は沓掛山)
 緩やかな傾斜を山頂へ向かって歩いていると、一人の若者が追い抜いて行った。
 若い力が頼もしく、羨ましい。


笹ヶ峰の頂上


石鎚山神社


東側の景色(右端のピークが冠山)

 

 寒風山から1時間半で笹ヶ峰のテッペンに着いた。
 始めに三角点にタッチ、次に石鎚山神社に拝礼、そして一服する場所を選定する。

 北風が強いので神社(石垣)の裏側に回ると、中年男性と笹原で先行した若者が休んでいた。
 
 彼らの脇を拝借してザックを置き、中を手で探る。
 危うく「失敗した!ビールを忘れた!」と叫びそうになった。コンビニでビールを買うのを忘れたのだ。

 「どーするのR君?何時もの山頂儀式ができないじゃん。」って言われて時既に遅い。
 アマゾンや楽天へ注文したところで、ここまでビールを届けてくれるはずはない。
 仕方ないので、水で乾杯してソーセージを齧った。

 寒風山の頂上と違って、ここからは東側が一望だ。
 三角に尖った冠山が間近に見え、三ツ森山を始めとする別子の山々が並んでいる。

 北側は沓掛山が手の届く近さにあり、東西の赤石山を中心とした山塊も右手に見える。
 春霞で白くなっているが、これ以上の贅沢は無用だ。



 予定している下山路は、南側の尾根を真っ直ぐに下って林道に出るコースだが、不安材料が二つある。
 一つは、マイナーなコースなので道は明瞭か?
 二つに、急下降に膝が耐えられるか?

 悩んでも仕方ない。
 地図では赤線になっているし、休みながら下りれば膝も大丈夫だろう。

 そうと決まれば、カッブ麺を省略して、おにぎりとアンパンを齧って下山することにした。


笹の中を下る(二本の木の間が登山道)


窪みを頼りに凶悪な笹と戦う(胸の高さの笹)


笹ヶ峰の頂上を振り返る
 一面の笹原の中に急な下山路が続いていた。

 人がそれほど歩いていないので、笹が元気に成長している。
 足元が見えないので地面の状態を靴底で確かめながら、転ばないように慎重に下る。

 加えて、目印のテープがないので笹原の窪みを頼りに進んで行く。

 膝の高さならまだ良い方だ。
 所によっては腰から胸まで成長した凶悪な笹と格闘した。


(目印が無いので、視界が悪い時は要注意。ルートファインディングは笹の窪みだけが頼り)

樹林の中を下る


三つ葉ツツジ
 何とか樹林帯まで降りてきたが、笹道は終わらない。
 

 三つ葉ツツジが綺麗に咲いている道に変わると、足元もはっきりしてきた。

 もう道に迷う心配はない。
 ホッとしたところで、両足の親指の爪が浮いた感じを覚えた。

 笹との格闘に神経を集中していたので、足の異変に気付かなかったのだ。

 多分、血豆ができているだろう。
 新調ブーツによる靴づれか?それとも急下降で爪先に負担が掛かったのか?林道まで騙し騙し下るしかない。


南尾根登山口


林道を歩く


無名の滝
 林道に出た。
 ここから平坦な砂利道を歩いて50分。爪の様子はゴールしてから確認しよう。

 途中、立派な滝が現れた。
 水量も豊富で水煙が勢い良く上がっている。滝の名前を探したが何処にも銘板が見当たらなかった。

 名無しの滝にしておくのは勿体ない。
 水流が二本なので「双筋の滝」としておこう。

(南尾根登山口にも10台程度の駐車スペースあり、水なし、トイレなし)


(林道は落石が多く、道幅が狭い場所もある)

駐車場まで戻ってきた
 寒風山トンネルの駐車場まで戻ってきた。

 ブーツを脱いで足指を確認すると、親指の両爪が血色に染まって、右側は腫れている。
 痛みはないが、明日からの山が心配になってきた。


  三嶺へ   氷ノ山へ  四国中国の山旅(その2)