笠取山


・期間 2015年5月30日(土)晴れ
・山域 山梨県
・形態 単独、周回
・行程 作場平→ヤブ沢峠→笠取山→笠取小屋→一休坂→作場平

※ 梅雨入り前の休日。奥秩父の笠取山へ花見ハイキングに出掛けた。

作場平(8:25)→ヤブ沢峠(9:30-9:40)→笠取小屋(10:00-10:05)→小さな分水嶺(10:15)→笠取山(10:45-11:15)→三角点(11:20)→水干(11:45)→笠取小屋(12:15-12:50)→一休坂(13:25-13:30)→作場平(13:50)


奥秩父の主脈を3回に分けて縦走したが、笠取山のピークには縁がなかった。
★理由その1・・・第1回目(2002年)は、途中で怪我をして断念した。
★理由その2・・・第2回目(2004年)は、天気が悪く登る意欲を失った。
★理由その3・・・第3回目(2005年)は、疲れと時間切れで雁峠から下山した。
そんな訳で、今回はレンゲツツジとシャクナゲの開花を期待して、
均整のとれた三角錐のピークを目指した。


フルーツロードから甲府盆地と南アルプス


作場平の駐車スペース(駐車場は満杯)
  
 登山口の作場平へは、「山梨側(甲州市)からの方が短いよ!」とナビが教えてくれたので、「そうしますよ!」ってことで、ナビのアドバイスに従って中央道の勝沼ICで降りた。

 国道411号を奥多摩方面へ走って、落合の集落から狭い一ノ瀬林道に入り、
作場平の駐車場に車を止めた。

※駐車場は30台程度、トイレあり。
作場平へは、奥多摩側から入った方が道幅も広く整備されている。甲州市側の林道は、狭くて迷い易い場所も有るので要注意


登山口


綺麗な看板
 

 登山道は一ノ瀬川に沿って緩やかに伸びていた。

 この地域を含む一帯は、東京都の“水源の森”となっているため、東京都水道局が管理している。
 流石にお金持ちの東京都だ。親切な案内板や綺麗な休憩ベンチが要所々々に整備されていた。


沢水の流れ


新緑と青空


レンゲツツジ

 沢を流れる水音。木々の緑と青い空。木漏れ日の道。道端のレンゲツツジ。

 春山の“萌え”をたっぷりと味わいながら新緑の中を進んで行った。


ヤブ沢峠


ここから17km歩くと柳沢峠へ出る
 

 歩き始めて1時間でヤブ沢峠に着いた。

 ベンチで一服していると、中年3人組(男1、女2)が登って来た。
 後着者を気遣ってベンチの端へ移動しようとしたところ、彼らはノンストップで笠取山とは反対側の林道を下って行った。

 「あっちの方向に登山の対象となる山が有ったけー?」と自問してみたところで、人にはそれぞれの楽しみ方が有る。
 「森林浴でも楽しむのかな!」ってことで納得した。

※ヤブ沢峠は、国道411号の柳沢峠から伸びている林道上にあり、この先の笠取小屋まで続いている。

※柳沢峠まで17km、一般車は通行禁止


笠取小屋まで、こんな感じの道が続く
 笠取小屋を目指して、路面に残った轍を歩いて行った。

笠取小屋


鶏冠山?

 笠取小屋に到着した。

 小屋番らしき男性と常連らしき男性が、軒先で懇談していた。
 小屋の向かい側には、地元ナンバーの軽トラックがあり、脇にはマウンテンバイクが止めてあった。トラックは小屋番。マウンテンバイクは常連らしき男性の所有物だろう。

 広場からは南側の視界が開けて、均整の取れたピラミッド形の山が見えた。
 方向的に鶏冠山だと思うが、こんな立派な山容をしていたとは意外だった。


丸太が敷かれた道


大菩薩方面の景色西肩
 

 

 傾斜の緩い道を歩き出した。
 ここまでは、軽いハイキングだ。

 丸太が敷かれた登山道をポクポクと靴音を発てて歩いて行くと、左側に草原が広がり、大菩薩の峰々が連なって見えた。


笠取山(正面)と小さな分水嶺(左手前)


雁峠への分岐
(左の山:古札山 右の山:燕山)

 見覚えのある山容が見えて来た。笠取山である。
 
 手前の小高い丘に人影が見えた。小さな分水嶺である。


小さな分水嶺

 小さな分水嶺に到着した。
 休憩するには早いので、四周の景色をカメラに収めて先に進んだ。

※多摩川、荒川、富士川の分水嶺

 


笠取山へ向かう


廃棄された機械

 

 笠取山に向けて幾つかアップダウンを繰り返すと、三つ目の鞍部に赤錆びて廃棄された機械が放置してあった。

 見た感じはウィンチのようだが、説明板も無いので何のために活用したのか?分らない。
 この場所がコルなので、俺は勝手に “機械のコル”と呼ぶことにした。


頂上まで一直線


最後のコルから一気の登りになる

 

 ”機械のコル”からは、再び小さなアップダウンが続き、最後は一直線の登りとなった。

 頂上まで20分と見立てて急傾斜を登って行くと、中盤辺りでトレールランナーに追い抜かれた。
 約35度の急な斜面を快適に登って行く若者が羨ましく思えた。


笠取山の山頂


富士山


西側の眺め(国師岳、奥千丈岳)


山頂に咲くシャクナゲ
 笠取山の頂上に着いた。

 北東側は低い樹木が邪魔しているが、270度の絶景が楽しめた。
 富士山、南アルプス、大菩薩、国師・奥千丈、北側の樹木越しに谷川岳まで眺めることができた。

 一服していると、単独の若者が声を掛けてきた。

 「昨日は将監小屋にテン泊したんですが、大雨と強風で散々でした。今朝は絶好の天気で、途中から北アルプスが見えました。奥秩父は何度も来ていますが、ここから北アを見たのは初めてです。」

 『私は久々の奥秩父です。随分前に3度に分けて縦走したけど、将監小屋のテン場は芝地の段々畑で気持ち良かったでしょ!』

 「そうですね。芝が剥げていましたが、それよりもテント料金が1,000円で驚きました。消費税アップの為らしいです。」

 『1,000円は高いなー!相場は500円だよね。最近はテントを担ぐ体力はないので、こんな小さなザックで誤魔化していますよ。(笑)』

 この若者、雁峠から広瀬ダムに下ると見込んだが、彼の若いエキスを吸い捕りたくなった。


 そーだ!今回の山登りの目的の一つは、レンゲツツジとシャクナゲの鑑賞だ。

 振り返ると、晩期を迎えたシャクナゲが薄いピンクの花弁を広げていた。
 1週間前ならもっと見事だったろうが、致し方ない。

シャクナゲ


レンゲツツジ



三角点(笠取山の頂点)
 

 小さなザックを背負って稜線を進むと、沢山の花弁を付けたシャクナゲと見事なレンゲツツジが交互に現れた。

 笠取山の三角点は、東側に5分ほど移動した場所にあった。
  三角点にタッチして、東側の尾根を下って行った。
 


唐松尾山方面への分岐


水干(水神社)


多摩川の最初の水流
 分岐に着いた。
 東に真っ直ぐに進むと、唐松尾山から将監峠に出る。
 重いザックを担いで濡鼠になって黙々と歩いた昔の記憶が蘇ってきた。

 水干に着いのは12時前だった。
 昼飯時だが、笠取小屋まで我慢しよう。

 今日の水干は、乾いた洞穴だった。昔の記憶を頼りに、同じアングルから写真を撮った。

 今回は、多摩川の“流れの原点”に立ち寄ってから、笠取小屋へ向かった。

 


笠取小屋に戻って昼食


右手が下山道

 笠取小屋の広場では、数組のハイカーが懇談していた。
 俺も空いたベンチに腰掛けて昼飯の準備をした。
 
 両側のベンチを陣取ったハイカーが、テーブルの上に置いたガスバーナーでお湯を沸かしている。
 いずれも男女混成パーティだ。双方ともテーブルの上でお湯を沸かすリスクを分かっちゃいないらしい。

 何かの拍子で鍋が倒れて熱傷を負うリスクを避ける方法。つまり「お湯は身体より低い位置で沸かすべし!」の金言を知らないのだ。
 先輩から後輩へと引き継がれた数々の金言は、全てにおいて確かな理由が有る。それは、自分の身を事故や自然現象から守る術なのだ。

 アドバイスしようとも思ったが、余計なお世話と一蹴されそうだ。
 俺は自身の安全を考えて、地面に置いたバーナーに着火して、お湯が沸騰するまでビールで喉を潤した。
 これなら鍋が倒れてもシューズを濡らす程度で、熱傷を負うことはない。


 家庭ではテーブルにカセットコンロを置いて、すき焼きや○○鍋を楽しんでいるが、ここはアウトドアだ。
 登山用のガスバーナーは五徳も小さく頭(鍋)が重いため不安定で転倒し易い。


一休坂への下山路
 ビールも飲んだし、飯も食ったし、写真も撮ったし、これ以上ここに居ても仕方ない。

 天気も良いし、時間にも余裕が有る。
 ブナやミズナラが発散する新鮮な空気を楽しみながら、登った道と
違う山間ルートを下って行った。

作場平へ戻ってきた(正面の小屋はトイレ)


靴紐に止まったトンボが俺に眼を飛ばしていた
 愛車まで戻り、登山靴から普段のシューズに履き換えようとしたら、靴紐にトンボが止り、大きな目で俺を睨み付けていた。

 何とも可愛らしい仕草に、迷わずシャッターを押した。