蔵王

・期間  2008年2月9(土)
・山域  東北
・形態  単独・ピストン
・行程  地蔵駅→地蔵山→熊野岳→刈田岳→熊野岳→地蔵山→地蔵駅

※ 仲間9人で蔵王へスキーに行くことになった。3泊4日の贅沢な日程だ。「それならば、一人で雪山遊びをさせて・・・。」と幹事に申し出て、一日だけの自由行動を許してもらった。運良く、次の日が快晴の雪山日和となった。

2/9(土)晴れ
 地蔵駅(11:20)→地蔵山(11:35-11:40)→熊野岳(12:40-12:55)→刈田岳(13:40)→熊野岳(14:20-14:40)→地蔵山(15:30)→地蔵駅(15:40)

 蔵王も一応は百名山の仲間に入っている。
しかし、今では完全に観光地と化して、山のテッペンまで車で行けてしまうのである。
ならば、車で行けない冬ならどうだ。きっと、楽しい雪山遊びができるはずである。
新しく手に入れたバックカントリー用ザックとスノーシューの出番である。
仲間と別れて、今年初めての雪山に出発した。

蔵王ロープウェイの「樹氷高原駅」から見た地蔵山
 宿から温泉街を通って20分ほどでロープウェイ乗り場に着いた。
 駅前は大変な混雑で、仕方なくリフトを乗り継いで中間駅の「樹氷高原駅」まで向かうことになった。
 (写真は「樹氷高原駅」から見た地蔵山、中央左寄りの鞍部に「地蔵山頂駅」が見える。)

地蔵山付近の樹氷
 山頂駅の周辺では見事なモンスター(樹氷)が育っていた。
 スキーヤーだけでなく、多くの「樹氷見物ツアー」の老若男女が興奮気味に大きな歓声をあげていた。
 中には地蔵山を目指して必死に登って行く若者もいたが、俺はスノーシューを履いて、ふかふかの雪の上を余裕で歩き出した。
 樹氷群の向こうには、山形盆地を挟んで雪をしっかりと抱いた朝日連峰が輝いていた。
 
 

地蔵山の山頂
 地蔵山の山頂へ着くと大パノラマが広がった。
 飯豊、朝日、月山、鳥海などの南東北の名山がスッキリと見渡せた。

熊野岳を目指して歩く
 地蔵山から熊野岳へ向けて歩き出した。
 稜線に出たので風が強くなった。雪はクラストしているので歩き易い。
 時折、雪煙が襲ってくる。

変な形の樹氷
 途中、恐竜にも似た変な形の樹氷があった。
 人智の及ばない自然の造形美に暫らく見惚れてしまった。

地蔵山を振り返る
 熊野岳へ向かう途中で本格的なカメラと重厚な三脚を担いだ青年と擦れ違った。
 きっと素晴らしい雪の写真が撮れたに違いない。
 暫くして振り返ると地蔵山への真白い斜面に取り付いた青年の頭上には見事な青空が広がっていた。
(頂上手前の黒い点が写真青年である。)

雪の紋様と樹氷
 雪と風と太陽、自然の三要素が創造したシュカブラ(雪の紋様)、その先の山肌には幾つもの樹氷が眩い陽を浴びて白く輝いていた。

熊野岳頂上への分岐
 熊野岳頂上への分岐に着いた。
 ここでザックを降ろして小休止した。
 地図を確認すると避難小屋が在るはずだが、雪に埋もれてしまっているようだ。
 (反対側に廻ってみると、写真左の四角い雪の塊が避難小屋であった。)

熊野岳分岐から南側の山々を眺める
 南側を眺めると高曇りだが視界は良かった。
 刈田岳から屏風岳まで続く南蔵王の山々がスッキリと見渡せた。
 (熊野岳は蔵王連峰の最高峰で標高は1841m)
 

刈田岳へ向かって歩く
 熊野岳から下りて刈田岳へ向かうと”馬の背”と呼ばれる稜線が延びていた。
 竹竿と杭を目印に雪面をザクザクと音を立てて進んでいった。

蔵王のお釜
 稜線を外れてお釜を覗き込むと、大きく白い口を開けていた。
 (これ以上は怖くて接近できなかった)

刈田岳頂上の刈田嶺神社
 刈田岳に到着した。
 雲で遮断された太陽が鈍い光を放ち、全てが真っ白な世界を描いていた。
 頂上の刈田嶺神社は雪と氷でガチガチに固まって、一見では社とは分からなかった。
 社の前では、山スキーの若者二人が、下山の準備をしていた。彼らは何処から来て何処へ滑って行くんだろう。

熊野岳頂上の熊野神社と斉藤茂吉の句碑
 帰りの時間と天気の様子が気になったので、刈田岳では休憩せずに、そのまま熊野岳まで戻ってきた。
 雲は更に量と厚さを増して、太陽の光を完全に遮ってしまった。
 熊野岳の頂上には、社の前に斉藤茂吉の句碑が建っているとガイドブックで紹介してあったが、どうやらこの雪と氷の塊がその人工物らしい。
 

地蔵岳への帰り道
 山の天気は気まぐれである。
 熊野岳から西側へ下ったところから帰り道を確かめると、遥か下方にガイドに導かれた中年女性3人組が見えた。
 俺は彼女たちのトレースを追わずに、このバージンスノーの斜面を一気に下って行った。

 (中央右側の黒点が熊野岳分岐で出逢ったパーティである。左側のピークが地蔵岳、その向こう側に「地蔵山頂駅」がある。)

お疲れさん、また歩こうね。
 無事に山頂駅まで戻って来た。
 今回の山行で威力を発揮したスノーシュー(TSL328)にお礼を言った。
 あんたは偉い!これからも俺と一緒に楽しい雪遊びをしようね!!。
 
 蔵王ロープウェイの混雑を頭に入れていなかったのが、最初の失敗であった。9時に着いて「山麓駅」のチケット売り場に並ぶと、11時30分の整理券を渡された。なんてこった。計算外である。
 駅のアナウンスは、リフトを乗り継げば30分程で中継駅の「樹氷高原駅」まで行けると、がなり声を上げていた。ならばリフトを乗り継ごうとリフト乗場へ向かった。スキー客とスノーボード客に混じって登山靴のままでリフトに乗るなんて、俺だけである。順番になると係員が気を利かせてリフトのスピードを落としてくれ、降りるときも介助に寄ってくる。何だか申し訳ないような、恥ずかし気持ちになった。
 2本目のリフトを降りた後、次のリフトまではゲレンデ1本分を歩かされるし、滑り降りて行くスキーヤーからはジト目で見られるし、都合4本のリフトを乗り継いでやっと「樹氷高原駅」に到着したが、ここでも40分も待たされ、登る前から散々な目に遭ってしまった。
 次の日は勿論、仲間と一緒にゲレンデスキーを思う存分に楽んだ。雪山歩きとスキー、冬の贅沢な遊びを満喫した2日間であった。
 
(山から降りて判ったことだが、ロープウェイの時間待ちはスキーヤーとボーダーだけの規制らしい。樹氷だけが目当ての観光客はそのまま優先的に乗れるとのこと。山に行く人は樹氷観光用のチケットをゲットしましょう!!。)