樽前山


・期間 2019年8月31日(土)風雨
・山域 北海道
・形態 単独・ピストン
・行程 樽前山7合目ヒュッテ→樽前山(東山)→樽前山7合目ヒュッテ


※ 初体験の北海道の山は、天気に裏切られて消化不良のまま終わった。

 樽前山7合目ヒュッテ(9:00)→樽前山(東岳)(9:55)→東岳分岐(10:00-10:15)→西岳への稜線(10:25)→樽前山7合目ヒュッテ(11:05)


樽前山は、支笏湖の南側に位置する200名山である。

中央ドームは今も盛んに噴気を上げているが、外輪山からの景色と登り易さから老若男女に親しまれ、

特に、札幌や胆振地域の道産子に人気の山である。

天候に恵まれた休日には、多くの家族連れがこの山を訪れるという。



左折は樽前山登山口、右折は支笏湖方面


登山口の駐車場(下山後に撮影)


樽前山7合目ヒュッテ(下山後に撮影)
 年に一度、仕事で北海道に出掛けるようになった。
 今年も8月の最後の週、しかも仕事終わりが金曜日。このまま帰るのは勿体ない。

 そーだ、ついでに山に登ろう。
 新千歳空港から程近い場所に手頃な山があった。

 200
名山に名を連ねる「樽前山」だ。昨冬の久住山と同じパターンで山を楽しむ魂胆だ。


 昨夜は苫小牧市内のホテルに泊まり、ゆっくりと風呂に浸かって仕事疲れを洗い流した。

 今回もレンタカーを駆使して山と街を往復するわけだが、流石に北海道だけあって快適なドライブを約束してくれるだろう。
 しかし、快適でないのが今日の天気だ。
 「雨・風ともに強く、ところによっては雷雨」だとテレビの“お天気お姉さん”が伝えていた。

 お姉さんの予報どおり、雨足が強くなったり弱くなったりを繰り返している。
 前も後ろも空々のオンロードを走り、案内板から左折してオフロードを5分ほど登って行くと登山口の7合目ヒュッテに着いた。

 雨合羽を着て傘を差した誘導員の指示に従ってレンタカーを止めた。
 50台以上が駐車できるスペースには先客は数台、この天気でも山に来る好き者がいるんだと感心するが、俺もその内の一人となった。

 車を誘導してくれた親父が声を掛けてきた。
 「レンタカーだね。どこから来たの?」
 『千葉から来ました。』と答えると、
 「折角来たのに残念だね。今日一日、こんなもんだよ。」

 俺もそう思うが、地元の人に自信をもって言われると、何となく癪に障る。
 レインウエアーを着込み、車の中で一服して空の様子を伺った。


登山口


最初は亜寒帯の林を行く
 いつまでも待っていても埒が明かないので、雨の弱まりを突いて行動を開始することにした。

 今日の予定は、東山に登って取付きまで引き返し、外輪山を時計回りに歩いて西山の頂上に立ち、風不死岳の分岐からお花畑コースを周回して戻ってくる5時間半の行程だ。
 でも、天気次第でどうなることやら?

 登山ポストの脇から登山道に入った。
 本州では馴染みのナラやブナの林とは違う亜寒帯の樹相の中に階段状の道が続いていた。

唯一の景色、支笏湖が見えた
 歩き始めて10分で林を抜けて低木帯に入った。
 
 後ろを振り返ると、雲の切れ間から支笏湖の灰色の湖面が一瞬だけ見えた。

階段状の道が続く


可憐な白い花
 階段状の道は暫く続き森林限界を抜けると、周りの景色はなく灰白色の空気にすっぽりと包まれていた。

 雨粒が強風に乗って顔面を襲ってくる。痛くも寒くもないが、こんな天気が恨めしい



 登山道の傍らに白くて丸い小さな花が咲いていた。
 景色はダメなので、花のだけでもカメラに収めておこう

視界のない片斜面の道を進む

 ザレた片斜面の道を登って行くと、南側からの吹上が強くなってきた。
 視界は更に悪くなり、見通しは20mほどになってしまった。


東山への取り付き
 前方に薄っすらと指導標のような影が見えた。
 東山への取付きまで登ってきたことが分かった。

 西山への尾根を左に見送って、右に折れて東山の山頂を目指した
 
山頂へ向かう
  進行方向から男性同士の会話が聞こえてきた。
 山頂が近いことは分かるが、白い世界の中では影さえも見えなかった。


 山頂手前で若い男性二人と擦れ違った。
 「もう直ぐですよ。頑張って下さい。」って定番の声を掛けられても、全然疲れていないし、頑張るほどの登りでもない。
 それでも『ありがとうございます。真っ白で全然ダメですね。』と返した。
 
東山(樽前山)の山頂と三角点
 あっけなく山頂に着いた。

 白くて濃い霧の中に立派な山名標が立っていた。
 山頂には十数人が寛げるスペースがあったが、立っているのが辛いほど強風が吹いていた。

 三角点にタッチ、写真だけを撮って直ぐに引き返した。

ここで一休み


乾杯の儀
  取付きまで戻って休憩・・・、と言っても風を避ける場所もないので、指導標の先の案内板にもたれ掛って一服した。

 “煙吹かしの儀”を終えて、ザックの中をまさぐって缶ビールを取り出した。
 
 普段は山頂で厳かに“乾杯の儀”と執り行うのだが、今回は仕方ない。


 ビールを飲み終え、おにぎりを食べたところで、この先の行動を決める時がきた。
 天気の好転は期待できないが、行けるところまで行ってみよう。


西山へ向かうが視界が更に悪くなる


取り付きまで戻ってきた
 ザックを背負って西山に向かって歩き出した。
 10分ほどして稜線上の道が下りになった所で立ち止まった。風は弱まったが、視界は一層悪くなった。

 今回の山歩きの意義を考えてみた。このまま予定どおりに西山へ向かうとすると、視界のない道を只々黙々と歩くだけである。
 それも山歩きと言えなくはないが、次の目的地まで向かわなければならない縦走なら未だしも、このまま進んで西山の山頂を踏んだところで何の意味があるだろうか。

 “負け犬ではない”と自分に言い聞かせ、引き返すことにした

 

砂礫の上に綺麗か花々が咲いていた
 指導標まで戻ってお花畑あたりまで下ってくると、小さな子供を連れた親子が登ってきた。

 子供の「こんにちは!」の元気な挨拶が今日の山の締めくくりとなった。

 消化不良でも歩いたことだけに価値がある山旅だった。

 


悔しまぎれの追記です。

下山すると天気が回復し、陽が差しきた。
この辺りの観光名所、支笏湖に寄ってみると、大勢の観光客で賑わっていた。
湖畔に向かうと、風不死岳の山影がはっきりと見えた。
しかし、その奥の樽前山は雲の中だった。

支笏湖を後にして千歳市内の日帰り温泉に向かった。
森の中の真っ直ぐな道を快適に飛ばし、途中のPAで一服した。
PAの裏には車道と並行して、サイクリングロードが続いていた。
何気なく足を踏み入れると、テレビ番組で紹介された場所だった。

NHKのBS3で放映している「こころ旅」である。
俳優の「火野正平」が、視聴者から投書された「思い出の場所」まで自転車で走り、
途中の名所などを紹介する番組だ。

時間はたっぷりと残っている。
北海道千歳編を見た俺は、番組の足跡を辿ることにした。
「千歳さけます情報館」に立ち寄ってサケの放流を体験し、
「名水ふれあい公園」で千歳川の清流に触れた。
番組の進行を忠実になぞってみた。


 
支笏湖畔から眺めた風不死岳、左奥の雲の中に樽前山
 
ビシターセンターに飾ってあったヒグマ
 
サイクリングロード
 
サケの放流体験
 
さけます情報館の水槽
 
情報館前の千歳川
 
名水ふれあい公園
 
千歳川の木道