守門岳


・期間 2015年9月21日(月)晴れ
・山域 新潟県
・形態 単独、ピストン
・行程 保久礼小屋大岳青雲岳守門岳(袴岳)青雲岳大岳保久礼小屋

※ 信仰と花の名山、越後の守門岳を保久礼からピストンした。

 保久礼駐車場(8:30)→保久礼小屋(8:35-8:45)→キビタキ避難小屋(9:20-9:30)→大岳(10:45-11:00)→青雲岳(11:55-12:05)→守門岳(袴岳)(12:20-13:00)→青雲岳(13:25)→大岳(14:15-14:30)→保久礼駐車場(15:55)


守門(すもん)と言う変わった響きに引かれた。
調べてみると、「諏門」や「巣守」と表記されていた時代もあったようだ。
守門岳とは、大岳、青雲岳、袴岳の三山の総称だが、この山全体が巣守神社のご神体となっており、
牛頭天王にまつわる伝説が残っていると言う。
そして、ヒメサユリやニッコウキスゲの咲く花の山としても人気が高い。
信仰の山、伝説の山、花の山は、日本各地に数多く存在するが、
この山もそれら全て備えた名山と言えそうだ。


保久礼駐車場


駐車場から砂利道を下る
  浅草岳の地図を睨むと、直ぐ隣りに守門岳がある。

 守門岳は、前々から浅草岳とセットで登ろうと考えていた。
 浅草岳の入叶津口から守門岳の二分口までの二山を一筆で歩く人も居るらしいが、今の俺にはそんな長い距離を歩く元気はない。

 そんな訳で、最もポピュラーな入広瀬側から保久礼まで入ろうと考えたが、林道崩壊で通行止めらしい(二口登山口からは入山可能)。
 管理事務所へ電話すると栃尾側の林道は問題ないと言う。

 前夜の宿泊地から大きく迂回する形になるが、国道290号を栃尾方面に進路を変え、道院高原を抜けて狭い林道を登って行った。
 
 保久礼の駐車場に8時に到着した。やはり、このコースは人気がないのか?先客は10台程であった。

※ 保久礼駐車場は、30台ほど駐車可能、トイレなし


保久礼小屋(裏に便所、沢に降りると水場)


登山口
 

 今日は昨日と違って天気は上々である。身支度していても鼻歌が出てくる。
 山に入るときは、こうじゃなくちゃね〜。

 砂利道を200m下ったところに保久礼小屋があった。
 “小屋裏に便所がある”と言う看板を見た途端に、条件反射のように下腹部がゴロゴロと鳴り出した。

 目と鼻を覆いたくなるような猛烈な臭気だったが、お腹もスッキリしたところで、登山の始まりだ。


階段状の登りが続く


木漏れ日が降り注ぐ道を歩く

 

 登山ポストに入山届を投入して、始めの一歩を踏み出した。

 このルートは、赤土で滑り易いと聞いていたが、階段状の尾根道が30分ほど続いた。

 ブナの林に木漏れ日が降り注いでいる。朝の新鮮な空気を胸一杯に吸い込むと、爽快な気分になった。

 “山って良いなー!”。独りで鵜鳴ってしまった。


キビタキ小屋
 歩き始めて50分、分岐を左に折れてキビタキ小屋で一服した。

 頭上から鳥の囀りが聞こえてきた。そちらに目を向けると、木枝の間から青い空が覗いていた。


滑り易い赤土の道

 

 キビタキ小屋を出て本道に合流すると、滑り易い赤土の道に変わった。

 成程、評判どおりである。ストックをしっかりと突いて一歩一歩確実に登って行った。


雲が邪魔していますが新潟平野です
 周りの木々の背丈が低くなると、突然、視界が開けたが、北側に広がる新潟平野は白く霞んでいた。

灌木の道


不動明王の石仏

 

 再び灌木のトンネル歩きとなった。
 
 傾斜が緩くなったが、同じような道が延々と続いていた。
 時間的に、そろそろ大岳が見えても良さそうである。


大岳山頂


巣守神社の石碑


行動食(セブンイレブンのブランド)

 途中、“不動明王”の石仏を拝んで、10分ほどで大岳の頂上に到着した。

 大きな岩が幾つもある頂上広場で休憩することにした。新潟の山には、鐘が多い。
 二王子山にも八海山にも昨日の浅草岳にも鐘が吊るされていた。

 鐘は叩くべしを信条としている俺は、ここでも“カーン”と言う鐘音を響かせた。
 
 昼飯には早いので、チョコレートとクリームパンをスポーツドリンクで胃の中に流し込んだ。(最近の行動食はこのパターンだ)

 


休憩場所から山頂を振り返る
(一番奥のピークが守門岳(袴岳)だ。遠いなー!)


烏帽子岳の向こうに越後三山から浅間山まで見えた

 

 大岳の頂上から50m先に絶好の展望台があった。

 行く手には、青雲岳から袴岳の稜線が続き、その左手には越後三山から谷川連峰、煙を上げる浅間山まで望見できた。

 会津側に目を移すと、昨日登った浅草岳は雲に隠れ、飯豊方面も厚い雲が重なっていた。
 
 まー、これ位の眺めなら良しとしよう!


大岳を振り返る
 ここから青雲岳までは、150mを一気に下り、その損益をそっくり取り返す急な登りが待っている。
 谷底を覗き込むように急な下降路をゆっくりと慎重に下って行った。

 最低鞍部からの急登を大岳のテッペンと同じ目線まで登って来た。
 振り返ると大岳が綺麗なお椀の形を描いていた。


二口との分岐


青雲岳(ここにも鐘があった)


山頂近くの池塘
 二口との分岐から一登りで青雲岳に着いた。

 ここは大岳と違って池塘のある湿原が広がっていた。紅葉はもう少し先のようだが、黄ばんだ木の葉が微風になびいていた。


次のピーク
(実はこのピークが守門岳(袴岳)だった)
 直ぐ先に小高いピークが見えた。
 あそこまで20分と掛からないだろう。

 守門岳(袴岳)の主峰は、あのピークを二つ越えた場所だよなー。
 頂上まで1時間と見込んで、ススキが覆う木道を下って行った。


守門岳(袴岳)への登りから青雲岳を振り返る
 青雲岳から一旦下って登りに差し掛かったところで、降りて来た女性から「もう少しですよ。頑張って下さい。」と声を掛けられた。

 『ありがとうございます。』と返事はしたものの、
 “あれー、もう少しとはどう言う意味だろう?。だって、袴岳はそこのピークじゃなくて、もっと先でしょー!”


守門岳(袴岳)の頂上


青雲岳、大岳を見下ろす


越後三山には雲が・・・


最高峰だと思っていた無名のピーク


いつもの山飯
 

 木道が終わって、急坂を少し我慢すると、小広場に着いた。先客から「お疲れ様!」と声が掛かった。

 “あれ?ここが守門岳のテッペンなの?嘘でしょ!、大岳から眺めたら、一番奥(6番目のピーク)が一番高かったじゃない。”

 
標柱を見ると、守門岳と書いてあった。
 あぁー?ここが袴岳なんだ。拍子抜けしてしまったが、兎に角、目標の山のテッペンに到着した。

 三角点にタッチして、広場の隅っこに移動した。
 テッペンに立ったのに、今になって雲が湧いて景色が遮られてしまった。

 ネットでは、天気が良ければ、奥会津は勿論、飯豊の山々、越後三山から谷川の峰々、新潟平野の向こうに佐渡島まで見えると書いてあったが、この雲ではどうしようもない。
 最高峰だと思っていた無名のピークも雲に霞んでいた。



  ※最高峰だと勘違いしていた一番奥のピーク(6番目のピーク)へ向かう道はなく、標高は袴岳より10m低い1,527mだった。


 
時計は12時半を指していた。登頂祝いにビールで乾杯だ。
 山飯を食って写真を撮り終えると、何もすることが無くなった。
 雲が切れそうもないので、下山の支度に掛かった。


青雲岳に祭ってあった山神様
 大岳へのアップダウンを考慮して、ゆっくりと歩き出した。
 青雲岳を過ぎても何人かの登山者と擦れ違った。

守門岳(袴岳)と青雲岳は雲に包まれていた


笹薮と青空
 大岳の展望台まで戻って一服した。

 雲が湧き出して袴岳から青雲岳のスカイラインを隠していた。

 どうやら、この周りだけに青空が広がっているらしい。木のベンチに寝転んで空を見上げた。
 笹薮の向こうにイワシ雲を浮かべた秋空が広がっていた。

滑り易い道を下る


キビタキ清水
 大岳の山頂に設置してある鐘を鳴らし、巣守神社に拝礼を済ませて灌木のトンネルを下って行った。

 滑り易い濡れた赤土にストックを刺して、3点支持をきっちりと厳守した。

 キビタキ清水で乾いた喉を潤し、見覚えのある階段を下ると、保久礼小屋まで一息の距離だ。


青空と大岳

 保久礼小屋まで戻り、最後の一登りで駐車場へ着いた。

 山の天気は気まぐれだ。
 振り返ると、大岳が白雲を従えて緩やかな稜線を青空に広げていた。