男体山

・期間  2013年10月13日(日)
・山域  栃木県
・形態  単独・ピストン
・行程  二荒山神社中宮→(表コース)→山頂→(表コース)→二荒山神社中宮

※ 
日光の名峰、男体山。彩づき始めた紅葉を期待して二荒山神社から登った。


10/13(日) 晴れ
 
二荒山神社中宮(7:00)→4合目(8:00-8:15)→7合目(9:20-9:35)→男体山頂上(10:50-11:00)→9合目(11:20-11:50)→7合目(12:40-12:50)→4合目(13:35-13:45)→二荒山神社中宮(14:30)


男体山は、中禅寺湖や華厳の滝とともに奥日光を代表する景勝地であり、
山全体が二荒山神社の聖域である。
日本には、山岳信仰に絡む名山が数多く存在するが、
この山も例外ではなく、至る所にその証が散見できる。

目に見えるものだけではない。この山に登ることを「登山」ではなく「登拝」と呼んでいる。
二荒山に棲む神々への畏敬を表す言葉である。



二荒山神社と男体山

登拝門(この門から山に入る)

自宅を深夜未明に出発したお陰で6時過ぎに二荒山神社中宮に到着した。
 山支度を整えて、神社の門前に立つと、男体山が薄青い空に緑茶色の山容を見せていた。
 
 男体山への登山口は、表側(二荒山神社)と裏側(志津乗越)にあるが、殆どの「登山客」じゃなかった!「登拝者」は、このルートから登拝することになる。
 そして、この山は登拝時間が決まっていて、この時期は6時開門となっている。しかも、社務所で500円の登拝料を支払って御札を授かるなど、一連の手続きを済ませてからでないと、「登るべからず」じゃなかった!「登拝べからず」となっているようだ。(以後、面倒なので「登る」に統一する)
 
 俺もそれらの規則をきっちりと守って、二荒山神社の登拝門をくぐって行った。


石の階段を登って行く

 登拝門をくぐると直ぐに石の階段となり、登りきったところが「遥拝所」だ。
 「遥排所」とは、読んで字の如く「遥か彼方の御神体を拝む場所」であり、ここでは山頂に鎮座する「奥宮」にその御神体(二荒山大神=大国主命)が祭られている。

 つまり、奥宮まで登れない人が、この場所から恭々しく頭を垂れるのである。

 太郎山、女峰山など奥日光の山々は、全て二荒山神社に帰属しているらしい。
 それぞれの山頂には、二荒の神々が祭られた祠が建立されている。

 
にわか仕込みの蘊蓄はこれ位にして、山登りの話に戻すことにする。


1合目の石碑と石の鳥居

カラマツやツガの林を登って行く

 遥拝所の直ぐ先に、1合目の石碑と石の鳥居が立っていた。
 鳥居の先からは赤土の急斜面となり、周囲はカラマツやツガが混在した美林になっている。
 今日は3連休の中日。老若男女の尻を追いながらの山登りとなるのも仕方ない。


3合目から林道を歩く


4合目の鳥居

4合目から見下ろす中禅寺湖

 突然、林道に出た。
 ここが3合目で、この先の4合目までは林道歩きが続いた。

 4合目まで丁度1時間、中々良いペースだ。
 天気も良く景色も開け、中禅寺湖の湖面が碧く光っていた。


ゴロゴロした岩の道を登って行く

 4合目の鳥居をくぐってからが本格的な登りとなった。
 登山道は、ゴツゴツした大きな岩が転がり、クマザサが覆い茂る斜面にはシラカバやダケカンバが目立ってきた。

 中には、紅葉したカエデもあり、秋の彩を放っていた。


7合目

 7合目で一休みした。
 空は何処までも青く、シラカバの樹肌とのコントラストが見事であった


こんな感じの登りが続く

8合目


瀧尾神社の小さな社

 延々と続くゴロゴロ岩の急登を登って行くと、8合目に着いた。
 大岩の間には「瀧尾神社」の小さな祠が据えてあった。傍には社務所があり、開山祭などの記念日には御札を授けてくれるらしい。


 それにしてもこの山は人が多い。秋真っ盛りの百名山は、どこもこんな盛況ぶりなのかなー?

 いや、日光だけが特別な存在なのだろう。山、草原、滝、湖、温泉、文化遺産など、最上級の観光要素が全て備わっているだもんなー。凄いよね。
 


赤土が剥き出しの道
 8合目から更に進むと、赤土が剥き出し沢筋のような登山道に変わった。
 登山者が多い証拠に、破れかけた砂袋が凸凹のレールのように続いていた。

火山灰を踏みしめて登って行く

 9合目まで登ってくると、周りの樹相がシラビソの低木に変わり空が大きく広がってきた。その分、風当たりが強くなり、北風がビュービューと音を発てて吹いていた。
 手袋を嵌めてジャケットの襟を立て、溶岩滓と火山灰が入り混じった赤土を踏んで、更に高度を上げていった。


二荒山神社の奥宮

宝刀のある見晴台

太郎山から越後方面の山々
 

 歩き始めて4時間。頂上の奥宮に到着した。
 北風が強くて寒いので風避け場所を探したが、適当な避難場所は全て先客に占拠されていた。
 
 仕方ないので、宝刀が捧げられている見晴台まで移動すると、ここも登山客で一杯だった。
 ここからは、北側の景色が開けた。太郎山が真近に迫り、遠く越後や奥会津の山々まで見渡せた。



二荒山大神の銅像

中禅寺湖と東側の山々
 奥宮まで戻っても、強風は止む気配を見せない。
 視界は良く、砂塵が舞わないだけ救いだ。二荒山大神の銅像に一礼してから、山座同定に集中することにした。

 東側と南側に目をやると、足尾の山々や筑波山は勿論、遠くに富士山、南アルプス、八ヶ岳、浅間山など、中部日本の名だたる高峰が全て見て取れた。
 山頂からのこの素晴らし景色が拝めただけでも良しとしよう。何枚かの写真を撮ってそそくさと下山した。

登った道をひたすら下る
4合目まで戻ってきた
 9合目まで下ってくると、1人分がゆったり座れる絶好のスペースがあった。
 周りの樹木が強風を遮ってくれるので、バーナーも使えそうだ。ザックからカップラーメンを取り出して、コッヘルに水を注いでバーナーに点火した。
 何かが足りない。「あぁー!ビールを買い忘れた。」仕方なく、ソーセージだけを齧って、お湯が沸くのを待つことにした。



 登った道をそのまま引き返すのは味気ないが、富士山型の単独峰で周回コースを作ったところで意味がない。急なゴロゴロ岩の斜面が延々と続くかと思うと、膝へのダメージが心配になってきた。
 中禅寺湖が眼下に光っている。あの場所まで行こう。ストックを駆使して、一歩一歩慎重に下って行った。