小楢山


・期間 2018年10月20日(土)曇り
・山域 山梨県
・形態 パーティ・ピストン
・行程 焼山峠→的岩→一杯水→小楢山→幕岩→一杯水→的岩→焼山峠


※ 年に一度のパーティ登山。旧知の仲間と中秋の小楢山を歩いた。

 焼山峠(11:00)→的岩(11:50)→一杯水の手前のカラマツ林(12:00-12:15)→小楢山(12:30-13:15)→幕岩(13:50-14:10)→的岩(14:55-15:00)→焼山峠(15:40)


小楢山は、山梨百名山に名を連ねている。
だが、近くに乾徳山、金峰山、甲武信岳などのメジャーな山が多いだけに、
何とも地味な存在となっている。

この山の名付けの親は、甲斐の名刹「恵林寺」を開山した夢想国師との説があり、
古来は「古那羅山」と表記していたらしい。

「那羅」は「奈良」の同意語である。
夢想国師が大和(奈良)に想いを馳せて、「那羅」と言う文字を当てたかどうか定かではないが、
山名の由来に色々と想像を巡らすのも面白い。

「小楢」でも良いが「古那羅」の方が趣があって
格好良いと思うのは俺だけではないだろう。


焼山峠


案内図
 焼山峠に到着して、山支度に取り掛かろうとしていると、今回の幹事役のWが「大変だ。先っきのコンビニのトイレに財布を忘れてきた。」と真っ青な顔をしている。

 直ぐに携帯を出してレシートに書いてある番号にダイヤルするが、アンテナは圏外だ。

 「幾ら入っていた。現金の他は・・?」と同志の面々が矢継ぎ早に問いただす。
 「皆さんから集めた会費と私のお金、それと免許証にクレジットカードに・・・」と頭を抱えている。

 悔やんでも仕方ない。
 サブ幹事のO氏が付き添って、コンビニまで戻ることにした。

 忘れた場所がレジのカウンターならまだしも、完全個室のトイレの中だ。
 増してや、空っぽの財布なら未だしも、9人から集めた会費が詰まった分厚い財布だ。
 後からトイレに入った奴が隠匿してもバレることはない。

 悪い条件が幾つも重なってしまった最悪の事態か!

 焼山峠に残された7人の中高年男は、Wの後にトイレを利用した人が善人であって欲しいと願うしかなかった。

 時は過ぎ、俺のスマホが突然鳴り出した。
 電波状態が良くなったのだろう。液晶を見るとWからの着信だ。
 彼の明るい声が飛び込んできた。皆んなに笑顔が戻った。

 出発前からそんな騒動があり、歩き始めは11時になってしまった。
 しかし、この山はこの時間からでも問題ない。


 ※綺麗な水洗トイレあり、40台程度は駐車可能

小授け地蔵


防火帯の中の道を行く
 俺を先頭に「小授け地蔵」の前を通って、一列で歩き出した。

 登山道は、広くて緩い防火帯の中に延びていた。
 カラマツの紅葉を期待したが、時期的に少し早かったようだ。

新道を登る


的岩
 「小楢山・新道」と書かれた指導標から、少しきつめの傾斜を我慢すると「的岩」に着いた。

 「小楢山・八景」の看板が示す先には、“弓矢の的”のような丸くて真っ平らな岩が見えた。

平坦なカラマツ林を進む
 再びカラマツ林の平坦な道が続き、ナラとブナが混在した林の中に休憩に適した場所があった。
 
 歩き始めて1時間、小休止しよう。


一杯水の分岐


白樺が目立つようになった


空が広くなってきた

 

 一杯水の分岐から適度な登り傾斜になった。
 今までがダラダラの平坦だったので、やっと登り応えのある道になって、俄然と気合が入った。

 そう思ったのも束の間、10分ほどで白樺の木が目立つようになると、再び緩い傾斜になり、空が大きく開けてきた。
 もう直ぐ頂上だ。


小楢山の頂上


山名板


甲府盆地
 頂上は平らな広場になっていた。

 先客は数組と少ないが、丁度良い場所(カメラ的に邪魔な場所)にカップルが座っていた。
 先着優先なので「邪魔だから退いてくれ!」とも言えない。

 我々は、撮影の邪魔にならない場所で大休止とした。
 ラーメン、おにぎり、パン・・・、それぞれの昼飯メニューだ。

 俺はビールにソーセージ、カップ麺におにぎりの定番の山飯を楽しんだ。

 山名板には「小楢山」の下に「霊山・古那羅山」の文字が見えた。(とても嬉しい)

 その手前に立つ展望盤は、富士山を始めとする甲斐の山々が刻まれていたが、空は黒い雲で覆われ、この天気じゃーどうしようもない。
 雨が降ってこないだけで、良しとしよう。
 


小楢峠の分岐


幕岩へ向かう
 心臓手術を終えて試しの登山となるH氏。半年前に股関節の手術をしたM氏の体調が気掛かりだったが、二人とも異常はないと言う。

 時間はたっぷり残っているので「幕岩」まで足を延ばすことにした。


垂直の岩溝を鎖を伝って登る


赤茶色に染まった小楢山


茅ヶ岳が見えた


直ぐ近くの大沢山
  小楢峠まで下って尾根を南に向かうと、30分で「幕岩」の基部に着いた。

 垂直の岩溝を鎖に頼って一登りで、幕岩の上に立った。

 ここは360度のロケーションだ。
 雲の切れ目から青空が覗き、景色が一変した。

 目の前の小楢山が赤茶色の姿を見せ、西側に目を向けると茅ヶ岳が灰色に霞んでいた。
 
 南側の富士山と南アルプス、北側の奥秩父の稜線は、いずれも雲に隠れていた。


今回の山仲間


ゴールが見えた
 帰り道は楽チンだ。
 小楢峠から巻道を通って、的岩から平坦な旧道を進んで行った。

 幹事のWがこの時期に山行を計画した理由は、絶好の紅葉と下山後のご褒美を楽しむためだ。

 今回は天気も今一で、紅葉も黄葉も期待に沿うものではなかったが、旅館での「温泉+宴会」だけは天気や景色に関係ない。
 そう思うと皆んなの足取りも軽くなる。

 ゴールは見えた。
 最後の詰めを間違わないよう、小さなアップダウンが続く登山道をゆっくりと戻って行った。