蛾ヶ岳


・期間 2015年5月5日(火)曇り/晴れ
・山域 山梨県
・形態 単独、ピストン
・行程 四尾連湖→大畠山→蛾ヶ岳→大畠山→四尾連湖

※ 富士・御坂山系の西端にある蛾ヶ岳に四尾連湖からピストンした。

四尾連湖(7:00)→大畠山分岐(7:30)→西肩峠(8:05-8:10)→蛾ヶ岳(8:25-8:50)→大畠山(9:25)→四尾連湖(9:40)


「蛾ヶ岳」と書いて「ががたけ」ではなく「ひるがたけ」と読む。
浅学の俺には、どうして「蛾」を「ひる」と読ませるのか?分らない。
辞書で調べると「蛾」を「ひいる」と読ませるらしい。
山の名前は、里から見た山容や姿形から名付けられることが多いが、
どうして綺麗な「蝶」ではなく、嫌われ者の「蛾」なのか?分らない。
ネットで調べたら、自然現象から由来した山名だと分った。
武田信玄の館から見て正午になると太陽が丁度この山の真上にくるので
「昼ヶ岳」と呼んでいたようで、「昼(ひる)」が「蛾(ひいる)」に変わったらしい。
「昼ヶ岳」の方が見た目も良いし、敢えて「蛾」の字を充てることは無いと思うが、
「蛾」は「蚕」と同意語なので、生活に欠かせない大切な虫として、この字に決まったのだろう。
今回、この山を選らんだのは「蛾ヶ岳」「四尾連湖」
と言う魅惑的な名前に引かれたからであった。


道の駅「富士川」から見た蛾ヶ岳(中央奥)
  
 今日も道の駅「富士川」で朝を迎えた。

 昨日と違って天気予報は晴れを告げている。

 昼前には中央高速に乗りたい事情(大渋滞を回避する)があったので、今日は早めに行動することにした。
 駐車場から車を発進しようとすると、南東方向に薄緑色の山並みが見えた。
 方向的&標高的に蛾ヶ岳で間違いないようだ。よーし!あの山まで一っ走りだ。



 今日は、国道沿いの「すき家」ではなく、ローソンでサンドイッチの朝食を済ませて、ナビの目的地を「四尾連湖」にセットした。

 「四尾連」と書いて「しびれ」と読む。
 ネットで調べたら、この湖は標高800mのカルデラ湖で四つの尾をもつ竜が潜んでいたことから、この名前が付いたとあり、ヤマタノオロチや九尾狐と同じような妖獣伝説が残っているらしい。
 変わった名前とその神秘さが面白い。


四尾連集落にあった案内標識


駐車場の様子


駐車場入口にある数々の看板
 

 四尾連湖への県道は、山肌を縫って高度を上げて行った。
 最奥の集落も「四尾連」の字名が付いており、登る前から感激でシビレてしまった。


 7時前に駐車場に着いた。
 朝早くから、多くの車が止まっているのは、湖畔にある旅館の宿泊客に違いない。
 
 看板には、駐車料金400円とあり「管理人が不在の場合は、○○荘までお越し下さい。」とペンキで書かれていた。
 こんな時間に管理人が居るはずもなく、仕方なく指示に従って○○荘まで歩いて行った。


 下山時には管理人が詰めていたので、後払いでも良かったかも?


四尾連湖周辺の案内図


登山口にはお決まりの”熊注意”

 登山口には、お馴染みの黄色い“熊注意”の看板があった。
 
 この看板も行政側の配慮だと思うが、行政は何処も辛い立場に立たされているようだ。
 何故かと言うと、熊が生息する山域に看板を設けて注意喚起しなければ、市民から行政責任を怠っていると文句が来るし、過剰な看板を見れば景観を損なうと文句を言う市民もいる。
 俺は後者に近いが、“熊注意”の看板を掲げたところで、何の意味が有るだろうか。山に入る場合は、ある程度のリスクは覚悟しなければならないし、それなりの予防策を講ずるのが鉄則である。
 
 要は自己責任の範疇だが、海に置き換えた場合はどうだろう。海岸には“遊泳禁止”の看板は有るが、“サメ注意”の看板は見たことがなし、国内では聞いたことがない。
 日本は看板だらけの国である。街を歩いても“駐車禁止”“ゴミ捨て禁止”。飲み屋の裏路地では“立小便禁止”。公園では“ボール投げ禁止”“サッカー禁止。最近の話題では“ドローン禁止”と言うことになりそうだが、兎に角、禁止看板だらけである。
 ルールやモラルを尊重しない人が増えているからだと思うが、山頂で“撮影禁止”や“喫煙禁止”なんてことになったらどうしよう。


直ぐに右折


登山道の様子
 

 海も山も自然は有るがままが良い。
“熊注意”の看板を見ただけで、こんなに興奮して無駄な書き込みをする俺も相当の捻くれ者だ。そんな暇が有ったら先に進みなさい。R君!

 登山道は、ナラやアカマツの林の中に伸びていた。


大畠山の分岐

 歩き始めて30分で、大畠山の分岐に着いた。

 やっと一汗掻いたところだし、休むほどでもないので、そのまま歩くことにした。
 ここからは、平坦な稜線歩きが暫く続くと言う。


馬の背(その1)


馬の背(その3)


前方に蛾ヶ岳らしき山影が見えた

 稜線と言っても展望が有る訳でもなく、このルートには両側が切れ落ちた“馬の背”と呼ばれる場所が幾つかあり、歩きに変化を与えてくれた。

 三つ目の馬の背を過ぎた辺りから、蛾ヶ岳らしい山頂がナラの木越しに透けて見えた。


木の橋


西肩峠


六地蔵
 

 

 涸れた沢に掛かった真新しい橋を渡り、傾斜が増してくると西肩峠に着いた。

 以前は身延町側へ降りる峠だったようだが、今は廃道に近い状態らしい。(地形図では身延町へ至る破線表示が有る)
 
 路傍には“六地蔵”が置かれ、別名「六地蔵峠」と呼んでいることが書かれていた。
 
 そんな手作りの案内板を見ていたら、下腹部が渋り出した。我慢しようか?とも思ったが、頂上まで雉打ちに適当な場所も無さそうなので、落葉を踏んで繁みの中を下って行った。


写真では急傾斜に見えないが25度位かな?


もう直ぐ頂上

 腹部も気分もスッキリしたところで、山頂へ向けて歩き出した。

 ネット記事では、西肩峠から山頂までは「厳しい傾斜が15分」と書いてあったが、俺的には大した傾斜ではないと感じた。


頂上からの富士山


右の丸い山が竜ヶ岳


甲斐駒ヶ岳(右)と雲に隠れた白根三山
中央手前の窪みが四尾連湖


四尾連湖をズームアップ


八ヶ岳の遠望

 

 蛾ヶ岳の頂上に到着した。

 先客の男性二人組が富士山をバックに写真を撮っていた。軽い挨拶を交わして、俺も頂上からの景色を眺めた。

 登山口から1時間30分しか歩いていないに、こんな眺望が拝めるなんて申し訳ない。
 
 南には富士山。西には鳳凰三山と白根三山。北には八ヶ岳から奥秩父の山々が連なっていた。
 眼下には富士川に沿った市街地、森の中には魚眼のように青く光っている四尾連湖も見えた。


金毘羅宮の石碑(この裏側に石の祠)

 先客の二人が引き揚げて、山頂は俺一人になった。
 日差しもなく風もなく、暑くもなく寒くもなく丁度良い陽気だ。祠の傍に腰掛けてゆっくりと休むことにした。

 
頂上の空気は気持ち良い。
 天気は崩れる気配はない。
 昨日の山とは大違いだ。
 時計に目をやると9時前だ。
 この分だと10時までには下山できる。
 こんな山計画は今までにない。

 品疎な頭からは断片的な言葉しか浮かんでこなかった。

 


西肩峠を後にして下山中


大畠山分岐までの稜線上で唯一のアップダウン

 

 頂上を後にして西肩峠まで降りてくると、二人の幼児を連れた若い夫婦が休憩していた。

 シッカリとした山装備をしているが、きっと四尾連湖でキャンプをしている家族だろう。
 幸せそうな家族に微笑みを向けて、登って来た道を戻って行った。


登山道に入る家族連れ


四尾連湖畔のキャンプ場

 

 四尾連湖まで戻ると、何組かのパーティが山支度をしていた。

 湖畔のキャンプ場ではバーベキューの煙が立ち昇っていた。子供連れの家族、若いカップル、それぞれがそれぞれの休日を楽しんでいた。

 風呂に入ってから帰宅しようと思ったが、高速道路の渋滞が気になったので、トイレ脇の水道で洗髪、汗ばんだ身体を清拭して愛車に乗り込んだ。


 
昼前に甲府南ICから中央高速に入ったが、笹子トンネルで6kmと小仏トンネルで18kmの大渋滞に嵌まった。ラジオの交通情報では、東京へ戻る高速道路は早くも渋滞が始まっていることを伝えていた。