大菩薩嶺・三頭山

・期間  2004年11月28日(日)
・山域  大菩薩・奥多摩
・形態  単独・日帰り 周回コース
・行程  大菩薩嶺:長兵衛山荘→大菩薩峠→雷岩→大菩薩嶺→長兵衛山荘
      三頭山:都民の森→鞘口峠→三頭山→三頭大滝→都民の森

※ 夏山が終わり、秋本番を前にした9月始めに腰を壊してしまった。椎間板ヘルニアという何とも厄介なヤツだ。幸いにも軽症で、リハビリに専念した結果、ハイキングができる程度に回復した。冬山に備えて、日帰りハイキングに出掛けた。

11/28(日) 晴
 自宅(5:00)→長兵衛山荘(8:00-8:10)→大菩薩峠(9:20-9:30)→雷岩(9:50)→大菩薩嶺(10:00)→雷岩(10:10-10:20)→長兵衛山荘(11:20)
 秋はもう終わりである。北の国では雪の便り・・・。11月最後の土曜の夜、身体がウズウズして寝付かない。明日の天気は、絶好林道から大菩薩の稜線らしい。そうだ!ハイキングに行こう。布団から起き出して山支度を始めると、煎餅を齧りながらテレビを見ていた女房に「腰は大丈夫なの?気を付けてね!」と滅多に耳にしない有り難い言葉を掛けられた。「腰は万全、場所は大菩薩、夜には帰るよ。」と答えて、車に山道具を放り込んだ。
 早朝に自宅を出て、塩山から日川林道を車で飛ばした。小春日和を山で楽しもうと企んでいるのは、どうやら私だけではないらしい。長兵衛山荘の駐車場は既に満杯状態、大菩薩峠群馬や静岡ナンバーの車が並んでいる。「そーだよなー、ここも百名山だもんなー。」って意味のない事を考えながら、林道脇の登山道を歩き出した。唐松やミズナラの落葉を踏みながらの気持ち良いハイキング、秋の山はこーでなくちゃ面白味がない。
 歩き出して20分で”福ちゃん荘”に到着すると、目前に大菩薩の稜線が黄色に輝いていた。林道と合流して少し歩くと直ぐ先に北関東訛りの中年5人パーティが横一杯に並んでゆっくりと歩いている。お喋りに夢中で、後ろの気配に気付かないようだ。「スミマセン。道を開けて下さい。」と声を掛けると、詫びの一言も無く、真ん中を開けてくれた。そうだ、此処はハ大菩薩からの富士山イキングコースだ。横一杯だろうが縦一列だろうが、道の譲り方がどうとか、彼らには関係ないらしい。
 歩き始めて1時間余りで大菩薩峠に到着、と言うより介山荘へ到着したと言った方が正しいようだ。峠の両側には立派な山荘が建ち、観光地の土産物屋を想わせるようなタオルやキーホルダーが軒先に並んでいる。小屋の向こうには余りにも有名な”大菩薩峠”の看板が輝いている。やっぱり、南アルプスの峰々観光地だ。
 ただし、この場所、富士山と南アルプスの眺めは最高である。東に大きな裾野を広げた富士山が鎮座し、南に所々に雪を被せた南アルプスの稜線が脈々と続いている。天気は最高、この絶景に暫らく見とれてしまった。
 ”親不知ノ頭”を越え、”賽の河原”を下り、少し登り返すと”雷岩”に到着した。親子連れ、老夫婦、若いカップル・・・、何人ものハイカーが休憩しているが、単独らしき人は見当たらない。そー、ここはパーティでワイワイとやって来るのが正解かも知れない。
 ここから、大菩薩嶺をピストンして車に戻るには物足りない感じがするが、かと言って丸川峠まで足を伸ばしても中途半端な時間になってしまう。どうするか?・・さーどうする!・・って、脳味噌に決断を迫ってみると『別の山に登ったら?』との答えが返ってきた。「そうだ!近くの簡単な山まで遠征しよう!!」って事で、大急ぎで大菩薩嶺をピストンして雷岩まで戻り、唐松尾根を下って車へ到着したのは昼前であった。
 ガイドブックを開くと手頃な山は、秩父の”四阿屋山”と奥多摩の”三頭山”がある。移動時間はどちらも大差がないが、眺望が良さそうな”三頭山”へ向かうことにした。

 都民の森(13:30)→鞘口峠(13:45)→三頭山東峰(14:20-14:50)→三頭山中央峰(15:00)→三頭大滝(15:35-15:40)→都民の森(16:00)→数馬の湯(16:20-17:10)→自宅(20:30)
 日帰り山行で一つ目の山を登り、車で移動して二つの目の山を登るなんて経験は今回が初めてである。夏以来、山と無縁だったことが、この欲望に駆り立てたに違いない。それともう一つ、頭の中には冬山のこ大岳山・馬頭刈山の向こうに新都心とが過ぎっていた。リハビリ登山とは言え、足腰に少し厳しい負担をかけないと、雪は踏めないモンね。
 奥多摩の紅葉は最後の盛りを見せていた。絶好の天気、”都民の森”は家族連れやカップルでごった返していた。駐車場に入るのに10分も待たされて、時計が気になりだした。スニーカーを登山靴に履き替えて、”森林館”の脇を足早に抜けて”鞘口峠”へ向かった。この森は都内では数少ないブナが残っており、落葉を踏む音がサクサクと軽快に響いている。この時間から登る人が目ずらしのか?下山者にジト目で見られた。歩いて15分で”鞘口峠”に到着した。なるほど、葉を落とした木々の隙間から”七ツ石尾根”の稜線が黄金色に染まっていた。
三頭山中央峰 ”鞘口峠”からは、チャンとした登山道になり傾斜もきつくなってきた。荷も軽いし、足腰も余裕があるので山頂までノンストップを決めたが、お腹に力が入らない。そー、まだ昼飯を食ってない。朝の4時半に起きて口に入れたのはコンビニのカレーパン1個だけである。飯を食わないのは何時ものこと、テッペンで食う飯に勝るものはない。頂上まで我慢しよっと・・・、なんて考えているうちに三頭山の東峰に着いた。山頂には東向きの立派な展望台があり、御前山、大岳山、馬頭刈山の稜線の向こうに新宿の高層ビル群が眼下にハッキリと雲取山見えた。最高の景色に見とれていると、腹がグーと鳴った。そうだ、飯を食わなければ、昼飯を食わなければ、ガッツリと食わなければ、腹いっぱい食わなければ・・・、ザックからバーナーとコッヘルを出して何時ものインスタントラーメンを作った。誰も居ない山頂、気兼ねなく、食後のタバコを吹かして至福の時を過ごした。
 先を急ごう。日暮れが早い。日没前に駐車場に帰って、”数馬の湯”に浸かってから、なるべく早く自宅に帰りたい。明日は大事な仕事が待っている。急に現実というか?平地の生活が気になってきて、自分でも情けなくなる。仕方ないよね。平地で生活して、遊びで山に来るんだから・・・。
 三頭山の中央峰へは10分で到着した。北側の視界が開けて、雲取山が凛として輝いていた。この景色って、この場所まで遊びに来なければ、見られないよなー。やっぱり、平地では絶対に無理、山に登らなければ拝められない景色である。ここまで苦労して登ってきた御褒美、もう少し堪能しよう。
 中央峰からは下り一辺倒である。沢を下って行くと立派な看板が出てきた。そー、ここからがハイキングコース、三頭大滝から”都民の森”へ遊歩道をサクサクと下って行った。