高取山・仏果山・経ヶ岳


・期間 2017年3月19日(日)晴れ
・山域 神奈川県
・形態 単独・周回
・行程
 大棚沢駐車場→高取山→仏果山→経ヶ岳→大棚沢駐車場

※ 春の彼岸を明日に控え、ご先祖様のお墓にお参りする前に東丹沢の山々を周回した。

大棚沢駐車場(7:35)→高取山(850-9:05)→仏果山(9:40-955)→半原越(11:05-11:20)→経ヶ岳(11:45-12:20)→土山峠(13:45-13:55)→大棚沢駐車場(14:20)


室町時代の高僧が座禅道場として開山したのが、仏果山の名の由来と言う。
その高僧とは“仏果禅師”であるとネットに出ていた。
加えて、この地域には修験道の始祖である“役の小角” が開いたとされる修験道場や
真言密教を広めた“弘法大師”が立ち寄ったとされる伝説まである。

役の小角や空海の伝説は、全国至る所に残っているが、その殆どは絵空事の伝承である。
そうは言っても、この山域で修験道や仏教の厳しい業が行われていたことは確かなようで、
春の彼岸を前にして、仏教に因んだ山の頂からご先祖様を偲んでみたいと思う。(南無大師遍照金剛)



大棚沢駐車場


駐車場から100m歩いたバス停

 若い頃は、山に“高さと厳しさ”を求めていた。
 しかし、最近は“手軽さと易しさ”に志向が変わり、“山は高きに有らず”が信念となってきた。

 東丹沢に目を向けると、仏果山を中心とした周回コースが見えてきた。
 
 宮ヶ瀬湖の東側にある大棚沢駐車場に到着したのは7時を過ぎていた。

 人気の山域ならこの時間でも駐車場の大方は埋まっているが、今日は俺が一番乗りである。
 身支度を整えていると、2,3台の車がやって来た。何れも地元ナンバーだ。
 
 この山は思い付いたときに、パッと来てパッと帰れるお手軽な山なのだ。


※ 大棚沢駐車場の駐車スペースは20台程。トイレ、水なし。


登山口


山びるポスト
 車道を渡って登山道に入ると、直ぐに“山びるポスト”があった。

 房総の山もそうだが、暖かい地域の低山では“山びる対策”が欠かせない。
 しかし、今はシーズン外なので蛭に怯えることもない。

スギ、ヒノキの林を登る
 登山道は、スギやヒノキの人工林の中を適度な傾斜で伸びていた。

 それにしても目障りなのが、丹沢名物“シカ避けネット”だ。
 これが無ければ、人工林が大きなダメージを受けることは分かっているが、せめて周りの景色に溶け込む茶色のネットにして欲しい。


モミの大木(全体が画面に収まらない)
  歩き始めて30分、宮ヶ瀬越までの中間当たりまで登ってくると、ナラやモミが混ざった自然林に変わった。

 スギやヒノキには申し訳ないが、やっぱり天然の木々は良い臭いを放っていた。


 目の前にモミの大木が3本立っていた。
 このような大木には、注連縄が掛けられ“〇〇の大モミ”なんて看板が立っているものだが、この3本にはその看板はなかった。


この人工物は何?

 モミの大木の先に太陽光パネルを乗せた人工物あった。

 表示がないので何の建屋か分からない。
 降雨計の建屋にしてはセンサーが見当たらないし、アンテナ塔もないので無線中継施設でも無さそうだ。(誰か、この建屋の正体を教えて!)


緑が鮮やかなアセビの木


宮ヶ瀬越
 登山道沿いにアセビの低木が目立ち始めると、”宮ヶ瀬越”に到着した。

 歩き始めて丁度1時間。小休止のタイミングだが、高取山まで我慢しよう。


高取山へ向かう


頂上の鉄櫓


西側(宮ヶ瀬湖と丹沢の主脈)


東側(相模原、八王子方面)

 

 宮ヶ瀬越から尾根筋を北側へ登って行くと、20分で高取山に着いた。



 頂上広場には立派な鉄櫓があり、テッペンが展望台になっている。山頂の澄み切った空気を俺一人で独占できるなんて滅多にないことだ。

 それと、一時間チョットでこの景色に出逢えるんだから、初心者や家族を連れてくるには丁度良い。



 西側の眼下には宮ヶ瀬湖、正面に見えるはずの富士山は霞に隠れているが、南側から大山、丹沢山、蛭ヶ岳などの丹沢の主脈が薄っすらと雪を被って並んでいる。
 
 反対側に目を移すと、相模原から八王子の街並みが俯瞰でき、都心方面は春霞で白く濁っていた。



 櫓を降りてベンチで休んでいると、半原方面から柴犬を連れた家族連れが登ってきた。
 
 この家族、挨拶もなく俺の前を通過して、愛犬を山名標に繋いでスマホで盛んに写メっている。

 「〇〇ちゃん、お座り。こっち向いて!」てな具合である。山のテッペンを我が物顔にする人種に嫌気がさしたので、早々に引き上げることにした。


仏果山から見下ろす高取山


頂上に祭られた石仏

 

 宮ヶ瀬越まで戻って、尾根を南に向けて20分も歩くと仏果山に着いた。

 ここにも高取山と似たような展望台がある。
 先ずはデッキに登って景色を楽しむ。高取山の方が若干見事なようだ。

 しかし、この山が高取山に勝っているのは頂上の佇まいだ。山名標を背後にした岩の上には、仏果禅師を偲ばせるかのように、数体の石仏が祭ってあった。(南無大師遍照金剛)


痩せた尾根を行く
 石仏に拝礼してから、経ヶ岳へ向けて歩きだした。

 直ぐに、痩せた岩稜の険しい道に変わった。


気持ち良い尾根を行く


熊棚のような物体
 痩せた岩稜を慎重に歩き、再び小さな起伏が続く優しい尾根道を歩いていると、モミの木の枝に“熊棚”のような塊を見付けた。

 「東丹沢の人里近くの登山道、しかも、この道は“関東ふれあいの道”、熊は居ないよなー?」
 
 山梨の千頭星山の登山道で見た熊棚を思い出しながら「熊棚ならもっと高いところにあるよなー?」とも考えたが、どう見ても人工物ではなく熊棚にそっくりだ。

 モミの木肌には爪痕や牙跡は見当たらなかったが、思わずザックに吊るした鈴の鳴り具合を確かめてしまった。
(誰か、この塊の正体を教えて!)


関東ふれあいの道


革籠石山
 登山道は階段状の急な下りとなり、その先に真新しい道標が見えてきた。

 流石に関東ふれあいの道だ。
 良く整備されているなー!と感心していると、何とこの場所が山の頂であった。下りなのに山頂なの?道標には「革籠石山」と書いてあった。


急な下りの階段


土山峠への分岐
 

 革籠石山からも急な下りが続いた。
 700mにも満たない低山だが、逆方向なら結構なアルバイトを強いられる登りだ。
 右膝を庇いながら急な階段を下って行った。


 土山峠への分岐に着いた。帰りはここから戻る訳だが、経ヶ岳までのピストンが残っている。
 往復2時間と計算して半原越へ向けて歩いて行った。


経ヶ岳が見えた
 緩やかな尾根道を下って行くと、木々の間から経ヶ岳が見えてきた。

 三角形の良い山容をしているなー。登りは結構辛そうだ。

半原越


経ヶ岳への登山口
 半原越は立派な車道だった。

 今日は3連休の中日、俺と同じようなハイカーが乗ってきたに違いない車やバイクが路肩に止めてあった。

急階段が終わり気持ちい尾根道を行く


頂上で乾杯


革籠石山が見えた
 経ヶ岳への登りは、きつかった。
 最初に急な階段、平坦な道になったかと思うと、次には鎖付の急な岩稜。それでも30分で最終目標の山の頂に着いた。

 先客がベンチでランチをしている。
 俺も三角点にタッチしてから、相席をお願いした。
 昼飯はいつも同じメニュー、乾杯の儀式もいつもと同じだ。

 昨今はあらゆる物に変化を求めるご時世だが、変わらないこと、同じことの繰り返しも必要だ。
 なぜならば、山歩きは左右の足を交互に繰り出して、同じことを何万回と重ねて、やっと目標に達するスポーツだからだ。

「何を偉そうな薀蓄をたれてるの?他の客が登って来たでしょ。さっさと片付けてベンチを開けたら?」って、山の神様の声が聞こえてきた。
 
 コンロとコッヘルをザックに仕舞い込んで、三角点に再タッチしてから来た道を戻って行った。

車のエンジン音を聴きながら下って行く


土山峠登山口
 先程の分岐まで戻り、土山峠へ向けて下って行った。

 ここの下りもきつかった。右膝が泣かないように時折、足を止めて屈伸運動をした。

 「低山と思って舐めたらアカンぜよ!」って、高取山と仏果山と経ヶ岳に叱られているようだった。

 膝の痛みもなく、土山峠まで戻ってきた。

湖沿いの県道を歩く


駐車場まで無事に帰ってきた
 土山峠にはバス停があり、一人の若者がバス待ちをしていた。

 時刻表を見ると、1時間に1本で厚木駅までの便が出ている。この山は、バスを使った方が便利かも知れないなー。

 そんな後悔にも似た思いを描きながら、宮ヶ瀬湖沿いの県道を歩いて行った。