浅草岳


・期間 2015年9月20日(日)雨/曇り/晴れ
・山域 新潟県
・形態 単独、周回
・行程 ネズモチ平→前岳→浅草岳→嘉平与ボッチ→桜ゾネ→ネズモチ平

※ 9月のシルバーウィークを利用して、越後と会津の県境に聳える山、初秋の浅草岳を一人で歩いた。

 ネズモチ平(9:00)→尾根中間(露岩地)(10:20-10:30)→前岳(11:20)→浅草岳(11:40-12:30)→嘉平与ボッチ(13:00)→桜ゾネ(13:50-14:00)→ネズモチ平(14:30)


以前、定期購読していた山岳雑誌で
“六十里越”と“八十里越”を踏破した記録を読んだことがある。
いずれも越後と会津の国境に位置し、人里離れた険しい山岳の難所だ。
「峠」や「分水嶺」に興味がある人にとっては、有名な場所らしいが、
俺は、その間に横たわっている浅草岳に興味が湧いた。
前々から計画倒れになっていた浅草岳。やっと登るときがやってきた。


ネズモチ平の駐車場(赤い屋根が管理棟?)


案内図


ここから歩き出す(左側に登山ポスト)
   千葉から浅草岳を登る場合、普通は近くの宿で前泊すると思うが、普通でない俺は夜中に自宅を出発して、その足で登る計画を立てた。

 そんな訳で、関越道の渋滞もなく、登山口の
ネズモチ平に着いたのは8時半であった。

 整地された
駐車場には、10数台の車が止まっていた。避難小屋を兼ねた?立派な管理棟には綺麗なトイレも設置され、この山の人気度が伺えた。

 何時もは、登山口に着いて山支度をしているとウキウキ&ワクワクして来るのだが、今日は今一つ気分が乗らない。

 その訳は、この天気である。
 山全体に霧と言うか?雨雲がどんよりと垂れ下がって稜線を隠しているからだ。

 天気ばかりは、意のままにならないことは分っていても、せめて俺が山に入るときだけは、晴れていて欲しい。
 雨具を着たグループが先行して行ったが、俺はそのままの姿で歩き出した。


登山口
 

 林道を歩き始めて5分もしないうちに雨が落ちてきた。 止む気配がないので、雨具を着込んでアスファルトの道を登って行った。

 駐車場から10分で、ネズモチ平の登山口に着いた。ここが登山道の始まりだ


スギとブナが混在した登山道


沢を渡る

 

 始めは、杉とブナが混在する中を登って行った。
 
 大きな岩がゴロゴロしている沢を2度ほど渡って、再び尾根に取り付いて高度を上げて行くと、現金なもので、気分も乗って来た。
 ドーパミンが出てきた証拠である。。


傾斜の急な道


カエデが色付き始めた
 このコースは、等高線の詰まった尾根を真っ直ぐに登って行くので、急傾斜は覚悟していたが、木々が覆って視界が全くない。
 夏なら日除けになって有り難いが、少しは周りの景色を拝ませて欲しい。

 歩き始めて1時間、ブナに混ざって色付いたカエデが目に付くようになってきた。
 丁度、
雨も止んできたので、雨具を脱いで休もうか?。
 いや(No〜)、こんな場所で休憩するのも詰まらないので、もう少し我慢しよう。

登ってきた道を見下ろす


山頂方向は雲の中

 

 明るい露岩地に出た。休憩スペースは無いが、そこは一人旅のメリット。ルートから少し外れた岩の上に腰掛けて一服することにした。

 視界が開けたとは言え、景色は全く望めなかった。低く垂れ込んだ雲が周りの山々を隠していた。

 湿ったタバコに火を付ける。吹き出した紫煙が雲の中に溶け込んで行った。

 時間的に見て、この当たりが山頂までの中間点だ。気を取り直して、再び樹林の中を歩き出した。



ブナのトンネルを登って行く
 

 

 ブナの若木のトンネルの先に、白い空が見えた。

 あそこが“前岳”だろうか?それにしては、時間的に早すぎる?

 やっぱり違った。まだまだ、長〜い登りが待っていた。


前岳の分岐大浪池は雲の中


木道を行く


紅色に染まった草原(山頂が薄ら見えた)

 ブナのトンネルから20分も掛かって、“前岳”の分岐に着くと、木々が切れて、淡い視界の中に草原が広がっていた。

 ここまで来れば、浅草岳の山頂は目と鼻の先だ。
 紅色に染まったツツジや茶色くなった湿原を眺めながら、霧に霞んだ木道を進んで行った。


山頂に居座る中年夫婦


景色が見えないのが悔しい

 浅草岳の頂上に着いた。
 時計の針は、11時40分を指していた。
 
 予定どおりだ。一等三角点にタッチして、山名標の写真を撮ろうと思ったが、止〜〜めた。
 中年夫婦がザックを広げて休憩しているので、絵にならない。

 全くもー、何を考えているのか?
 何も考えていないから、山名標の直ぐ傍で堂々と弁当を広げているんだ。

 良い子の皆さん、絶対に真似をしてはいけませんよ。
 山頂にある三角点や山名標は、全ての登山客のものです。
 混雑しているなら仕方ないにせよ、今日みたいな日に、独り占めはマナー違反ですよ。

 山頂から、四周の眺めを期待したが、雲が厚くて全くダメだった。田子倉湖が見たかったなー!燧ヶ岳が見たかったなー!飯豊山が見たかったなー!・・・駄々をこねても仕方ない。
 雨が止んだだけでも良しとしよう。

 


休憩場所から山頂を振り返る


登山道から逸れた場所で、ビールの無い昼飯


視界ゼロ

 

 昼飯の時間だ。
 頂上から入叶津側に下った尾根に、休憩に持って来いの場所が有ったので、そこまで移動した。

 ザックを広げてポカに気付いた。
 何時もの山飯だが、あ〜ぁ、ビールがない!明日は絶対に買い忘れないぞ!


下山時にもう一枚、まだ居座っていた。
 飯も食ったし、ゆっくり休んだし、降りることにしよう。

 登って来た道を戻るのも脳がないので、桜ゾネ経由で周回することにした。
 コースの途中には、“
嘉平与ボッチ”という変わった名前のピークがあり、桜ゾネには“八海山神社”もある。
 何だか、面白くなって来たぞー!


”嘉平与ボッチ”に向かって登って行く
 木道を“前岳”まで戻って、西側の尾根を降りて行った。
 頂上から30分下ったところで、
嘉平与ボッチ”の頭が霧の中に現れた。
 嘉平与って人の名前かなー?


”嘉平与ボッチ”を振り返る


駐車場が見えた
 嘉平与の頭に立っても、雲は晴れなかった。今日一日、こんなもんだろう。

 嘉平与から5分ほど下ったところで、東側の視界が開けた・・・と言うか、雲の下まで降りて来た。
 
 緑の林を四角く切り取ったように、遥か下方に駐車場が見えた。


ブナの尾根を下る


桜ゾネに建つ八海山神社
 ブナの木々の間を縫って高度を下げて行くと、桜ゾネに到着した。

 狭い広場には、パイプをピラミッド型に組んだ構造物があり、その中心に鐘が吊るされていた。
 一見、新興宗教のシンボルのように見えるが、実は八海山神社の釣鐘である。

 俺は、パイプに括り付けてある木槌で“カーン”と鐘を鳴らした。静かな山々に鐘の音が響き渡った。

 
良い子の皆さん、山の鐘は叩いて下さいね。クマ除けに効果がありますよ。


桜ゾネ駐車場(一般車は入れない)


林道を歩いてネズモチ平へ戻る


遭難碑に合掌
 桜ゾネには駐車場が有り、ここからは林道歩きだ。

 アスファルトの道を下って行くと、道路脇に遭難碑が立っていた。

 碑面に刻まれた追悼文を黙読した。
 そーだ!随分と前だが、マスコミを賑わした二重遭難の事故を思い出した。
 ここが、その現場かー。雪崩に遭った登山者を救出中に、消防、警察、地元の遭対協の方々が、雪崩に襲われて亡くなられたんだ。

 俺も当然のように、碑に向かって脱帽、合唱した。

無事に下山
 ネズモチ平の駐車場まで戻ってきた。
 今日の山歩きも終わりだ。

 我が愛車は、不平不満を言うことなく、黙ってご主人の帰りを待っていた。お利口さんだね。

 さー、一服して風呂に行くぞー!